私には28年前からずっと年賀状で交流を続けている恩師がいます。中学1年生の時、学年主任だった先生です。
音楽の先生で、いつも素敵なワンピースを着ていらっしゃって私の憧れでした。たった1年で別の学校に転任されてしまいました。
その年から年賀状で交流が始まりました。先生に憧れて私も音楽の道を志し、年賀状には、ピアノで勉強した曲や、声楽で歌っている曲を書き添えました。
念願叶って、声楽で音大に入った年には、厳しいレッスンの中にも楽しい大学生活について書き添えました。先生は、毎年のように「また聴かせてね」と書き添えてくださいました。
更に大学でバイオリンを始めたので、次の年にはバイオリンの話も書き添え、年賀状のスペースに書ききれない程でした。卒業後も、社会人生活の話の片隅に、大好きな音楽の話を書き添え続けました。『会いに来てね』その先生のお願いを強く叶えたい、そう思ったのは昨年、先生が病気で入院された時です。
退院されて暫くして、私たちは28年振りに、先生のお家で再会しました。先生はずっと私の年賀状を大事に持っていてくださいました。こんなこと書いていたんだなと思わず笑ってしまったり、和やかに過ごしました。年賀状って、絆の証なんだなぁと深く感動したひとときでした。